7/25(日)2日目 縄文杉登山海ガメツアー
今回の縄文杉コース
【往路】※復路はこの逆
荒川登山口(Start!)

小杉谷小学校跡(朝食)

三代杉

大株歩道入口

翁杉

ウィルソン株

大王杉

夫婦杉

縄文杉(Goal! 昼食)

縄文杉登山の服装
(日帰り・夏の場合)

・雨具 (上下共)
・長ズボン (ジーンズ不可)
・トレッキングシューズ
・厚手の靴下
・帽子
・ナップサック
・軍手・タオル・ハンカチ
・250mlペットボトル
・行動食(おやつ)
・弁当

※冬は上記に加え、薄手のセーターやフリースが必要です


4:30〜 縄文杉登山へ出発
- 荒川登山口 -

午前4時の目覚ましが鳴った。
え、さっき寝たばっかなのに、もう時間になっちゃったの?
2時間しか寝てないから当然かぁ…

準備をして、迎えにきたガイドさんの車に乗り込む。
今回の参加者は、私と同様一人旅の女性、40代のご夫婦、20代の若めのカップル。
ガイドさん含めて、6人のパーティ。
寝不足が堪えていてダルいため、彼らには軽く挨拶したのみで大した会話もできず、荒川登山口に到着するまでぐったりとシートに身を投げ出していた。

午前6時頃、荒川登山口に到着。
夏休みシーズンのためか、やっぱり人が多い。トイレも行列ができてるよー。
ガイドさんの号令で準備体操をし、トイレを済ませてからいよいよ出発。

- 山には所々に巨大なシダが見られる -
ガイドツアーに参加することで一番心配なのは、一人でバテてしまい、ガイドさんや他メンバーに迷惑をかけてしまうことだ。
パーティのみんなはすごぶる元気そうだったけど、私は 久々の登山で不安がいっぱい。

往復22キロの山道を、こんな不摂生で寝不足な体で、登りきれるんだろーか?

そこで私のとった戦術は…

「数人での山登りでバテない基本は、ガイドさん(リーダー・道案内役)のすぐ後ろの位置をゲットすること」

なぜかというと、列の後方にいけばいくほど、歩くペースがガタガタになっていくので、バテやすくなってしまうのだ。
※この話は私が高校時代に山岳部にいた頃、先輩から伝授されました

- 小杉谷小学校前 -
準備体操の後、ガイドさんが
「では、行きましょうか」
… と言って歩きはじめると同時に、 私はすばやくガイドさんの真後ろの位置についた。

ガイドさんの説明も聞きやすいので、いずれにせよココが最もおいしい位置といえましょう。

最初は、長い、長〜い7キロ以上に及ぶトロッコ道を行く。

……長身のガイドさん、いきなり歩み早いっす(T_T) 小走りしないと追いつけないよ〜。
それでも必死についていくと、20分くらいでガイドさんのペースになれてきた。
ふと後ろをみると、他のメンバーも遅れ気味のようだ。 よかった。コンパス短いのは私だけじゃないわね(笑)

途中で何度も、鉄橋を渡った。
手すりもなにもなく、下を見ると渓谷。これって高所恐怖症の人は、めっちゃ恐怖なのではないだろーか。
これといった見所もなく、黙々とトロッコ道を行く。
なんかこうやって線路上を歩いていくのって、映画スタンドバイミーのようだなー。

- これ、普通のルートです(&ガイドさんの後姿) -
そのうちだんだんお腹がすいてきた。メンバーからも「お腹すいたよー」と声があがる。
山にくると、大人も幼児返りするみたいだ。
小杉谷小学校前で、ようやく朝食。先はまだまだ長い。

平坦なトロッコ道にいいかげん飽きてきた頃、大株歩道入口に着いた。ここまでで7キロも歩いてきたのかぁ〜。
ここからようやく登山道に入る。トイレ場があるところなので、長めの休憩に入る。
休憩中はメンバーのみなさんと、和気あいあいとそれぞれ持ってきた行動食(おやつ)の交換会。

大株歩道入口は、いきなり急勾配の木道階段だった。ゼイゼイしながら登っていくので、メンバーの会話も途切れがち。
でもおとぎの国のような森の中で、見るものすべてがものめずらしく、疲れてもトロッコ道よりずっと楽しい♪

そしてここから、見たことも無いような巨樹の森に踏み行っていく。

大株歩道での見所は、私にとってはなんといっても、巨樹たちの生死をかけたバトルだ。

『ヤマグルマ』と『屋久杉』のバトル!

がっしりと屋久杉の幹にとりつき、根をからませている「ヤマグルマ」。この姿ってばまるで、
映画『エイリアン』の幼虫が、人間の顔にはりつき、口の中に入ろうとしているあの画面にそっくりだ!

『ヒメシャラ』と名を知らない樹のバトル
この 絞め殺し屋という異名を持つ『ヤマグルマ』は、屋久杉の幹をおおうように根をからませて着生する。
幹を絞めつけて屋久杉を枯らしてしまう例もあると、ガイドさんが教えてくれた。
優しく、おとなしいとばかり思っていた植物の、すごく動物的(野獣的)な姿を目の当たりにし、しばし衝撃をうけた。

森の中では、こういった巨樹たちの熾烈なバトルが、いたる場所でくりひろげられている。
このバトルの決着がつくのは、いったい何百年後なんだろう?
いずれにしても、私が生きている間には決着つくまい…
屋久島の樹たちの悠久すぎる時の流れに、圧倒されっぱなしだ。

森の中に、赤っぽい色をした目立つ樹がある。
ヒメシャラ(姫紗羅)という樹で、さるすべりの種類らしい。

この樹は皮がてかてか光っていて、表面を触るとひんやりする。
登山中暑くてたまらないときに、顔をひっつけて冷やしたりして、ちょっと便利な樹だった。

この樹も、激しい生存競争をしていた。
まるで「まわし蹴り」くらっているかのように、隣の樹の枝が、ヒメシャラの幹にぐっさりと食い込んでいる。
ヒメシャラの木肌は人間の肌に見た感じ似ているので、幹に食い込んだ部分の傷口が、化膿してしまっているかのように赤く腫れて痛々しい。
かわいらしい名前と姿をしたヒメシャラでさえ、この屋久島の森の中では、バトルから逃れられないのだった…

- 堂々たる大王杉 -
しばらくすると、翁杉が見えた。推定樹齢2000年の老木で、着生植物が多いらしい。
見た目にも、確かにいろんな草木が雑居している様子がうかがえる。
擬人化表現してみると、なんだか気のいいお爺さんが、たくさんの孫に囲まれているようなハッピーな雰囲気だ。
お爺さんっぽい杉だから翁杉っていうのかな?と思ったら、ガイドさんによればこの位置から翁岳が望めるから、そういう名前がついたらしい。なぁんだ。

基本的に登山道は鬱蒼とした森の中なので、日陰、木漏れ日の中を歩いている感じだが、
ウイルソン株のあるところに来ると、いきなり森が開け、日差しが入った。

こんな樹がこの世に存在するのか?と思うほど、…でかい。 自分が小人になってしまったような錯覚すら覚える。
写真とりの人々で非常に混んでいたので、ガイドさんの判断で縄文杉の帰りにじっくり見るということになり、ここは素通り。

ウイルソン株を抜けると、心臓破りの急坂が待っていた…
メンバーはすっかり無口に。みんな息継ぎするだけで精一杯だ。
ああ、もうダメだぁ〜と思った頃に、坂が終わる。そして次なる急坂が現れる…。
目の端に素敵な景色がちらっと見えても、立ち止まってそれを楽しむ余裕はない(T_T)

そんなことを5.6回ほど繰り返した頃、大王杉が現れた。
縄文杉が発見されるまでは、屋久島を代表する杉の一本であったという。
みなくたびれ果てているので、 ガイドさんの説明にもリアクション非常に薄い(笑)

- 夫婦杉 -
そこから少し歩くと夫婦杉
それぞれの枝が、お互いの幹とつながっている。いわゆる連理と呼ばれるもの。

これだけ離れた連理は非常に珍しいらしい。同じ遺伝子をもつ杉同士でなければ、このように枝同士が繋がることはないそうだ。
「比翼の鳥、連理の枝」、か〜。なんかロマンチック。。

だから、種の違う木々がぶつかったときには、壮絶なバトルが行われるのね。




さて、残すはいよいよメインの縄文杉
ここまでくるとメンバーの士気もあがってきて、会話が弾んでくる。
月曜からの辛い日々が終わり、今日は楽しい金曜日♪あと一息で週末♪といった感じだ。

- この像さんのお鼻みたいな樹を越えると、縄文杉が近い! -
縄文杉への手前に、ちょろちょろと出ている 水場がある。
「この水は、縄文杉が飲んでいるものと同じものです。縄文杉を見る前に、みんなで飲んでみましょう!」 と、ガイドさん。

※この水は、屋久島のお土産屋さんの至るところでペットボトルで売っている。が、加熱殺菌処理されたものなので、決して同じ味ではないだろう。

毎日飲んだら縄文杉のように長寿になれるかしらん?

水の味は、最高に甘い。す〜っと抵抗なく、疲れきったココロと体に浸透…
あ〜。こんなの毎日飲めたらシアワセだなぁ。

水を飲んだら、いよいよ縄文杉観賞用に用意された木組みのヤグラに登っていく。 階段を一段一段登るにつけ、期待はいやがおうにも高まり…
そしてついにご対面しました。

縄文杉はこちらの500×754のデカ画像でご覧ください♪(別Window)

縄文杉の木肌は白っぽく、ごつごつ・ボコボコしていて、まるで総白髪で貫禄たっぷりの「ひいおじいさん」といった感じ。まさに屋久島の主として、ふさわしい風情だった。

そして、縄文杉を眺めながら、縄文杉が飲んでいるのと同じ水を飲みつつ、昼のお弁当を食す。

↑この部分が顔にみえる…
これ、サイコーの贅沢です!ここで酒盛りできたなら、もっとよかった!(笑)
※ココは酒禁止ではないけど、帰り道を考えると、お酒はねぇ…

お弁当を食べながら、しみじみと縄文杉を見上げる。
縄文杉は、幹のボコボコの陰影の具合で、顔のようにも見える部分が何箇所かある。
「夜、一人でココに訪れたら、縄文杉はしゃべりだすんじゃないか?」、と思ってしまうほど、
圧倒的な存在感。

メンバーのみんなも、縄文杉の存在感に圧倒されてか、口数が少なかった。
それぞれ心の中で、縄文杉と語り合っているのかもしれない。

1時間ほどで昼食&写真撮影を終え、縄文杉に別れをつげる。
ここに訪れた人たちは、縄文杉と何を語りあったんだろう?

さて、帰りは来た道をそのまま戻る。ワタシ的には違う道を通って帰りたいが、それは1泊しないと無理らしい。
そして帰りで改めてウイルソン株をじっくり見た。

株の中に入っていくと、びっくりするくらい広い。十畳くらいの広さというが、確かにそのくらいあるだろう。
上を見上げると、木漏れ日が見える。ここから見上げる景色ってなんか「希望」って感じがするぞ。

ほらハート型♪
株の中を、ささやかなせせらぎが流れ込んでいた。ちょっと飲んでみると、ここもやっぱりおいしい〜。
この株の中だけでも、小さな世界が展開されているみたいだ。

広い広い株の中で、しばらくウロウロしていると…

株の中のある位置から空に向けて写真をとると、株のフチの形状がハート型に見えるのを発見!

メンバーにいたカップルの女の子の方もそれに気づき、チェキカメラでハート型の写真をとりまくっていた。
これって、みんな知ってることなのかなぁ?
うらやましそうに彼女がとったハート形のチェキの写真を見てたら、一枚くれた。やた♪

ウイルソン杉を出たあたりから、雨が本格的に降り出した。(縄文杉を見ている時じゃなくてよかったー)
この日の為に用意したゴアテックスのトレッキングシューズにも水が浸水し、カエルの泣き声をあげはじめている…
屋久島の雨の前では、ゴアテックス神話もろくも破れたり。

ここ2週間ほど屋久島では雨が降らなかったそうで、登りの時の森の苔は干からびかけ、白っぽくなっていた。
しかしこの雨のおかげで2.3時間もすると、苔たちが生き返ったようにふかふかと膨らみはじめ、鮮やかな緑を取り戻していった。
「森の『わーい♪』が聞こえてくるよ」とは、屋久島の森に対する、どこかで読んだキャッチコピーだが、ホントこれは言いえて妙な表現だと思った。
こっちまで嬉しくなってくるような、苔たちの歓喜の声が、森中に響いている。

これなら明日の白谷雲水峡も最高だろうなぁ。楽しみだ!
きっと明日はひどい筋肉痛なんだろうけどね。


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